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栄養

2023.01.04

短鎖脂肪酸

松⽥ 美千⼦ 管理栄養⼠ / Web・取材ライター / メディカルイラストレーター 松⽥ 美千⼦

短鎖脂肪酸の持つ6つの効果とは?効率的に増やすには「バナナ」がおすすめの理由を解説

短鎖脂肪酸はポストバイオティクスとして注目され、重要な役割を担っています。さらにバナナだと効率的に摂取できるのです。

短鎖脂肪酸とは

短鎖脂肪酸は、難消化性成分(食物繊維・オリゴ糖レジスタントスターチなど)が大腸の腸内細菌によって発酵を受け産生されます[1]。また近年注目されているポストバイオティクス(※)の1つです[2]。
代表的な短鎖脂肪酸は、酢酸・プロピオン酸・酪酸であり、様々な生理機能を持っています[1]。特に酪酸は大腸粘膜の主要なエネルギー源となり、欠乏すると大腸の機能不全につながるほど大腸粘膜細胞にとって必須栄養素になります[1]。
(※)菌が産生する代謝物で宿主の健康に有効な作用を発揮する

短鎖脂肪酸の持つ6つの健康効果

短鎖脂肪酸は全身のあらゆる恒常性に関与することがわかっています。

整腸作用による便秘改善

大腸の蠕動運動を亢進させ、排便を促し便秘を解消させます[3]。
さらに短鎖脂肪酸は有機酸なので大腸が酸性化され、悪玉菌とその毒素の産生を抑制し、善玉菌が増え腸内フローラ(腸内細菌群)のバランスを改善します[4]。

ミネラル吸収促進作用

大腸が酸性化されることによって、カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルが可溶化し吸収を促進させます[1]。

ダイエット効果

食欲抑制ホルモンであるペプチドYYの分泌に関与して食欲を調整し、摂取量を制御します。その上、交感神経に認知されることで、エネルギー消費量を増加させます。
さらに糖や脂肪酸が脂肪細胞へと変換するのを抑制し、脂肪細胞の肥大化を防ぎます[5]。

糖質・脂質代謝の改善

血中を介して膵臓β細胞からインスリン分泌を直接調節することにより、インスリン感受性を改善します[5]。
また、プロピオン酸や酪酸などが中性脂肪やコレステロールの代謝系に作用します[1]。

腸管バリア機能

また大腸上皮細胞の増殖により粘膜の新陳代謝を促すと同時に、粘液分泌により過剰な免疫応答を回避し、腸内炎症を抑制する腸管バリア機能を備えます[6]。

大腸がんの発生を抑制

蠕動運動で排便を促し、大腸と発がん物質との接触時間を短縮させて、大腸がんの発生を抑えます。
また腸内を酸性化し、病原性腸内細菌の繁殖を防ぎ、発がん物質の発生を抑えます。中でも酪酸は大腸がん発症の種々のステージで作用し、初期の粘膜上皮細胞の異常な増殖を抑制、変異細胞の細胞死や分化を促進、中期以降に発現する異常なたんぱく質の転写を抑制することができます[1]。

短鎖脂肪酸を効率よく増やす食品は「バナナ」

短鎖脂肪酸を産生できるのは大腸だけです。仮にサプリで経口摂取したとしても胃腸で吸収されてしまい、大腸までには届かないことがわかっています[1]。そのため必ず食品から摂ることが前提です。
まず短鎖脂肪酸を増やすには、腸内細菌のエサとなるプレバイオテックスが必須となります[1]。例えばルミナコイド(※)である食物繊維(特に水溶性食物繊維)・レジスタントスターチオリゴ糖・ペクチンなどがそれらにあたり、これらを全て含む食品はバナナなのです[4]。
(※)ルミナコイド:ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分[4]

そして最も重要なのは継続することです。調理をしなくて済む手軽さと、食品自体に触れずに食べられるため衛生的にも優れ、低価格で美味しく1年中入手しやすいことから継続するには申し分ないでしょう。

まとめ

短鎖脂肪酸は大腸だけではなく様々な代謝を調節し、免疫機能から遺伝子レベルにまで影響を与え、栄養学的にも重要な因子であることがわかります。バナナを食べて微生物からのギフトを大切に増やし育てませんか?

松⽥ 美千⼦

松⽥ 美千⼦ Michiko Matsuda

競泳・トライアスロン(中学2・3年の2年連続で全国1位)を続けてきた経験からスポーツ栄養に関⼼を持つ。
ライターとして主にトレーニング・美容・ダイエットに関する⾷事や、サプリ・グルメのカテゴリーを得意とする。
読者の悩みや疑問の解決、QOL の向上につながる情報を提供できる喜びをやりがいに活動を続けている。

競泳・トライアスロン(中学2・3年の2年連続で全国1位)を続けてきた経験からスポーツ栄養に関⼼を持つ。
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