メディア担当の方
パイナップルクイズの第二弾!
中級編となりますので、少し難しくなりますが。。。
育て方や品種の詳しい解説もありますので、あなたもパイナップル通になれる!
Q1 . 日本国内でもパイナップルは作られていますか?
回答
はい、日本国内でもパイナップルは作られています。特に沖縄県や鹿児島県の南部地域で商業的に栽培されています。
1930年代に台湾からの移民によって、日本でのパイナップル栽培が始まりました。主に、沖縄の気候条件や酸性土壌がパイナップルの栽培に適していることが分かり、特に1950年代から徐々に国内のパイナップル産業が大きくなってきました。現在沖縄県では、ゴールドバレルやホワイトココなどのとても食味がよい品種があり、とても人気があります。ぜひ食べてみて下さい。
Q2 . パイナップルは個人でも自宅で作ることができますか?
回答
はい、パイナップルは個人でも自宅で栽培することができます。鉢植えでも栽培できて果樹の中では簡単に栽培できる品目の一つです。
一番簡単な方法としては、食べたパイナップルの茎の頂部(冠芽)を切り取り、2~3日間、日陰で乾燥させた後に、鉢の土壌に植える方法があります。ホームセンターで販売される鹿沼土はpHが5程度と、酸性土壌であるため、この土をそのまま使っても問題ありません。
僕も毎年、庭で鉢植えで栽培しているパイナップルを食べております。沖縄県のような暖かい場所では、露地でも大丈夫ですが、冬の温度が10℃を下回る地域であれば、屋内の暖かい場所に移して越冬させてください。
果実が収穫できるまでには2年以上かかることが普通ですが、初級編のクイズでも取り上げたように、パイナップルは追熟しません。そのため、収穫直前までしっかりと実らせて、味質を高めることが可能です。市場に流通してるパイナップルは、棚持ち期間を長くするために、ややはやめに収穫されることが一般的なので、パイナップル本体の味ではないこともあります。
自分で栽培したパイナップルは、スーパーで購入し食べたパイナップルよりも美味しくなる可能性
が十分にあります。
僕が家の庭で育ててる鉢植え栽培のパイナップル、冠芽から栽培したものです。
Q3 . パイナップルには花が咲きますか?
回答
はい、パイナップルには花が咲きます。
栽培している人以外にはあまり知られていないのですが、パイナップルの花は小さくて紫色をしており、果実が膨らむ予定の周囲にポツポツとたくさん咲きます。
基部の方から開花し、螺旋しながら上部へと咲いていきます。これらの花は、各々が結実すると最終的に一つの大きなパイナップル果実を形成します。
とても綺麗で小さな花なので、ぜひパイナップルを栽培してみて花も観賞してみてください。
パイナップルの果実がまだ発達しておらず、花が咲いている状態を上から撮影しました。
Q4 . パイナップルの葉も何かに利用されているの?
回答
はい、パイナップルの葉から布や糸を作ることができます。
パイナップルは、果実の利用だけではなく、葉も活用されています。特にフィリピンでは、伝統的に「ピニャ(piña)」とよばれる布繊維が作られています。パイナップルの葉の繊維は非常に強く、軽量で、環境に優しい素材として注目されています。ピニャ布は現在、高級な材料として使用され、ドレスやシャツなどの製品に加工されることが多いのです。
パイナップル原産地の中南米ではかつて、滑らかな葉を持つタイプのパイナップルを選抜し、ロープや釣り糸、漁網、ハンモック、腰布を作るために使用されていたと言われています。長くて強い繊維で、葉も高い収量性があり、果実以外の価値が高かったといわれています。
パイナップルは食べるだけではなく、現地の方々の生活を強く支えているのですね。
パイナップル(pineapple)は英名ですが、中南米の現地では、多くのよび名があります。
例えば、スペイン圏では、piñaとよばれますが、これは先ほどのフィリピンの伝統的な繊維の名前の由来になっています。アマゾン川流域ではanana、ブラジル圏ではabacaxi、ポルトガル圏ではananasとよばれています。
Q5 . パイナップルは世界中にどのくらい品種がありますか?
回答
パイナップルは世界中に数えきれないほど存在しますが、多く流通しているのはある特定の品種です。
代表的な品種には「スムースカイエン種」「レッドスパニッシュ種」「クイーン種」などがあります。
「スムースカイエン種」は、世界中で最も植えられている品種です。収量が高く、果実の味や形状もよく、現在は缶詰用として主要な品種です。スムースカイエン種は、植物学者Samuel Perrottetによってフランス領ギアナで収集され、1820年にヴェルサイユに送られました。それから19世紀後半にイングランドからフロリダ、ジャマイカ、オーストラリア、ハワイに送られ、そこで主要となり、現代の大規模なパイナップル栽培の基盤を形成しています。
沖縄で古くから、そして現在もなお広く栽培されているNパイン(N67-10)は、ハワイ由来のスムースカイエン種のクローン選抜であり、その後作出されたピーチパインやボゴールパイン、ジュリオスターなどもスムースカイエン種の血を引いています。
一方、「クイーン」と「シンガポールカニング(Singapore Canning)(別名:シンガポールスパニッシュ)」なども、熱帯地域で広く栽培されています[1]。
これら品種より、各熱帯・亜熱帯国では多くの新しい品種も作出されており、とても多くの品種が存在します。
[1]Garth M. Sanewski, Duane P. Bartholomew, Robert E. Paull, The Pineapple: Botany,
Production and Uses, CABI, 2018.
沖縄県でアボカドやバナナなど、他多数の熱帯果樹の栽培をしている。
同時に、それらの栽培方法や果樹の特徴などをyoutubeやブログなどにて情報発信をしている。
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