burger
LOGO

バナナとパイナップルの情報発信
バナナ・パイン研究所

メディア担当の方
  1. TOP
  2. 健康ラボ
  3. パイナップルに含まれるブロメラインを眼科医が詳しく解説
image first view

健康ラボ

2024.02.14

パイナップルに含まれるブロメラインを眼科医が詳しく解説

真鍋 佑介 眼科医/「真鍋眼科」開院/YouTube「真鍋眼科」チャンネル 真鍋 佑介

パイナップルに含まれるブロメラインを眼科医が詳しく解説します。

パイナップルに含まれるブロメラインという酵素。たんぱく質を分解する働きは広く知られていますが、そのほかにも体の健康維持に役立つ働きが期待できるかもしれません。今回はパイナップルに含まれるブロメラインについて、眼科医の観点から詳しく解説します。

ブロメラインについて

ブロメラインは、パイナップルの果実と茎に多く含まれるたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)です。胃液の分泌を活発にし、消化を促進してくれるほか、胃腸の炎症を鎮め、腸内の有害物質を分解する作用などもあるといわれています。
パイナップルは、古くから東南アジア、ケニア、インド、中国の民間医療において薬用植物として利用されてきましたが、それにはブロメラインが関わっていると考えられています。

眼科医から見た、目とたんぱく質分解酵素の関係とは?

ブロメラインはたんぱく質、特にコラーゲンを分解することができます。この働きが飛蚊症(ひぶんしょう)の改善に役に立つかもしれない、ということを期待して行われた研究があるので、紹介します。
飛蚊症とは、目の中に虫やゴミのようなものが見える症状です。飛蚊症の原因は目の中のゲル状の組織「硝子体(しょうしたい)」の成分であるコラーゲンが変性し、束になったものです。そこで、パイナップルに含まれるブロメラインが飛蚊症の原因のコラーゲンを分解し、症状の改善に役立つのでは? という発想のもと、台湾で研究が行われました。
2019年の「Journal of American Science」の報告によると、毎日200gのパイナップルを食べると3ヶ月後には約7割の方に飛蚊症が軽減したという結果が得られました。[1]
パイナップルを食べるだけで飛蚊症が軽減できるのであれば魅力的な話ではあります。しかし、この研究は完全ではありません。小規模な研究であり、対照群との比較がないため、その効果が本当にブロメラインによるものかの確証が得られていません。
パイナップルはビタミンCが多く含まれているため美容や健康によく、目の健康維持にも役立ちますが、目に気になる点があったとしても、パイナップルを食べて改善をしようと思わないでください。網膜剥離のような急を要する病気の場合もあるので、まずは眼科医の診察を受けるようにしましょう。

パイナップルのほかに、どんな食品にたんぱく質分解酵素が含まれる?

キウイに含まれるアクチニジン、 イチジクに含まれるフィシン、パパイヤに含まれるパパイン、マイタケに含まれるマイタケプロテアーゼも同様にたんぱく質分解酵素です。その他、玉ねぎ、納豆、りんご、メロンにもたんぱく質分解酵素が含まれています。

パイナップルを食べる際の注意点

ブロメラインは生のパイナップルに含まれている酵素です。およそ60℃以上の熱で活性を失ってしまうため、製造工程で加熱・殺菌される缶詰やジュースなどではブロメラインの効果を期待することができません。
活性を保ったままブロメラインを摂取したいなら、生で食べるのが一番です。ただし、いくら健康によい食材であるといっても食べ過ぎには注意してください。
パイナップルは、一般的な果物と比べるとカロリーや糖質含有量が高めの果物です。パイナップルを食べすぎると血中のグルコース濃度が上昇する可能性があるため、糖尿病患者の方は摂取量に気をつけましょう。
またパイナップルに含まれるブロメラインでアレルギーを引き起こす方もいるので、注意が必要です。

まとめ

パイナップルには、コラーゲンを分解できるブロメラインという酵素が含まれています。
台湾での小規模な研究では、パイナップルを毎日食べることが飛蚊症の改善に役立つ可能性があるという結果を示していますが、研究は小規模であり、対照群が存在せず、また眼内にどの程度ブロメラインの影響が出ているのかは、確証が得られていません。
目の健康で気になる点があれば、必ず眼科医の診断を受けるようにしてください。

真鍋 佑介

真鍋 佑介 Manabe Yusuke

2012年に金沢医科大学卒業後、岐阜県総合医療センターの研修を経て、岐阜大学病院眼科学教室に入局。
眼科全般の臨床経験を積んだ後、緑内障専門医として緑内障専門外来で経験を積む。
2021年に「真鍋眼科」を開院。緑内障をはじめとする目の予防医学にも力を入れ、眼病から目を守り、生涯患者さんに寄り添える医療を目指している。

2012年に金沢医科大学卒業後、岐阜県総合医療センターの研修を経て、岐阜大学病院眼科学教室に入局。
眼科全般の臨床経験を積んだ後、緑内障専門医として緑内障専門外来で経験を積む。
2021年に「真鍋眼科」を開院。緑内障をはじめとする目の予防医学にも力を入れ、眼病から目を守り、生涯患者さんに寄り添える医療を目指している。

健康ラボ一覧に戻る

関連記事OTHER ARTICLE

記事一覧を見る

ピックアップPICK UP

カテゴリーCATEGORY

TOP